すまいみらい研究所 DNP

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ホーム みんなで考えるみらいのすまい 東京大学千葉研究室 共同研究 第6回 ミーティング

田中誠一、深田晶子(DNPすまいみらい研究所)
千葉学、成瀬友梨、海法圭、落合瞳子、千葉学研究室所属の学生の皆さん
(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻千葉学研究室)
プロデューサー:安東孝一(アンドーギャラリー)
エディトリアルスーパーバイザー:寺松康裕(建築編集研究所)
ゲスト:近松惠吉、安齋英弘(DNP住空間マテリアル デザイン開発部)

「選べること」の可能性

「住まいを選ぶとき、建物の築年数はどの程度重視するか」。その問いから議論はまた別の展開を見せていきます。千葉研究室からは、新築よりも自分で自由に間取りを変えることができる中古物件に魅力を感じる、という意見が多く出されました。これは建築やデザインに関係する人に多く見られる傾向のようです。

──新築と中古に対する考え方は、デザインや建築に関係しているかどうかで大きく変わると思います。一般の人びとが注目するのは、汚れや傷が付きにくいといった「性能」の部分だったりします。ではそういうことに建築の学生さんなどが興味があるのかというと、必ずしもそうではないと思います。(DNP 近松惠吉氏)

──建築やデザインの関係者がやっているように、安くて広いマンションを手に入れて思い通りの住まいをつくる、みたいなことを普通の人にも可能にするプログラムをつくることに可能性があると思います。「toolbox」と同じような方向性ですが、もう少し総合的なかたちで、一般の人が自分でアイデアをつくれる環境を整えて、さまざまなDIYの情報にアクセスできたり、つくる手助けまでできるような話になれば、大いに可能性はあると思います。
以前私が関わった「加賀レジデンス」(東京都板橋区)という分譲マンションは、壁式免震構造で梁と柱が無く、かつ各住戸の面積がほぼ同じになっています。そこで何が可能になるかというと、価格の安い下階でも上階と同じ間取りを再現できるんです。「選べる」という意味では画期的だったと思います。
「選べるっていいな」と思われるような、何か既製のもののお仕着せよりも、たくさんの選択肢があって、その説明がきちんとされ、購入者が自分で選んだり、組合せられるということが今の時代感覚だと思います。なおかつ価格が抑えられていれば、かなり注目されるのではないでしょうか。(プロデューサー 安東孝一氏)

──リノベーションと言うほど大げさなものではなくて、もっと簡単に、住まいのDIYを広めていけるアイデアもあると思います。
日本壁装協会という壁紙の業界団体がありまして、そこで推進しているのが部分的に違う壁紙を使っていこうという「アクセント壁紙」です。いままでお仕着せだったものを、住み手の思い通り変えることができますよ、ということを認知してもらい、壁紙の存在価値を高めようという動きが出てきています。そのようなことの建具版が、一般の人が自由に使え、それが革新的であれば良いんだろうなと思います。(DNP田中誠一氏)

共同研究の最終的な着地点を探りつつ、2時間を越えたミーティングは終了しました。