すまいみらい研究所 DNP

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ホーム みんなで考えるみらいのすまい 東京大学千葉研究室 共同研究 未来のすまいとは?

近未来のライフスタイルから見る新しい住宅のカタチ

未来のすまいとは?

わたしたちは 「建具」を問い直すことを研究のテーマとし、
世界の事例や素材をリサーチし、国内調査を実施しました。
そして、それらの研究内容をふまえた建具のアイディアをご紹介しました。

より具体的に住まい方を想定することで、
さらに踏み込んだ提案ができるのではないかと考え、
今までにない新しい暮らし方を見つけようとする
人々のライフスタイルに着目し、5組のターゲットを設定しました。

1Uターンの単身の若者

社会背景
地方創生、地方の過疎化、低下したコミュニティ意識、生涯未婚率の上昇
提案の可能性
コミュニティ機能付き住宅、地域おこし協力隊の住宅、地域に開かれた集合住宅、教育を核にした住宅やまち(移住を促進する提案) など

2単身の高齢者

社会背景
単身の高齢者の増加(2030年まで一貫して増加傾向と予想)、高齢者の入居制限を行う賃貸の存在
提案の可能性
戸建住宅の多世代シェア、玄関を閉めても気配の感じられる住宅、共用部に出たくなる住宅、限界集落化する団地の再生、街区ごとリノベし街全体でシェア生活、ロボット付き住宅 など

3Iターンの若者世帯

社会背景
地方回帰、子育て移住、就職観の多様化(サテライトオフィス化など)、1次産業への意識変化
提案の可能性
まち全体で子育てするための住宅、ビジネス機能付き住宅(カフェ付き、塾付きなど) など

4多拠点生活をするDINKS

社会背景
多拠点居住、就職観の多様化(複数の仕事をもつなど)、震災による住まいのリスクヘッジ化
提案の可能性
長期滞在でない住宅、ゲストハウス的住宅、分散型居住に適した住宅、複数人で時間差シェアする住宅、パブリックとプライベートがグラデーショナルに存在する生活拠点 など

5就労を視野に入れた外国人留学生

社会背景
外国人留学生の増加(18.4万人、10年で倍増)、就労変更する留学生の増加(1.3万人、4年で倍増)
提案の可能性
国際学生寮、共用部が豊かなシェアハウス、長期滞在を視野にいれた住宅、多国籍集合住宅 など

グローバル化と同時に必要とされるローカル性の両輪が顕著な現代社会で、
たくさんの人間が都市・地方都市・田舎の間を流動し続けています。
核家族という一般的な家族形態とは異なる、
既存の世帯像やライフスタイルにおさまらない暮らし。
近未来のライフスタイルに積極的によりそうような、
新しい住宅のカタチを考えます。

建具及び境界面の素材・性能・配置などを切り口に、
これからの住宅像を提案したいと思います。
核家族という一般的な家族形態とは異なる、
既存の世帯像やライフスタイルにおさまらない暮らしに
積極的によりそうような住宅のカタチを考えました。

1Shared Housing For Internationals

短期留学生のためのシェアハウスとコ・ワーキングスペース

1F:イベントスペース、2F:コ・ワーキングスペース、3F:コ・ワーキングスペース+シェアハウス。住まいと働く場所をどのように共存させるかがテーマ。異なったレイヤーのカーテンが、プライベートとパブリックをフレキシブルに仕切り、空間を好きなように構成できる。様々な特性を持つフィルターを重ねることで、天気や季節などの環境を制御する。

2Augmented Surfer's Life

サーフィンが趣味のサラリーマンのための自宅兼シェアオフィスと週末住宅兼コミュニティスペース

サーフィンを趣味とする8人のビジネスマンのためのシェアハウスを渋谷と湘南に設計。仕事と趣味を両立させる2拠点居住は、共用部分をなるべく大きくとり、個室は最小限に。共用リビング、個室の窓ガラス面にAR技術を導入し、渋谷にいても湘南にいても、波の状態をリアルタイムにチェックでき、いつでも波を感じられる生活を実現する。

3Co-Living:Friends Becoming Family

20~30代の単身居住者のためのシェアハウス

住んだり、住まなかったり…そのスペースをまた使ったり、とサスティナブルな暮らしを目指す。空間をグリッドで考え、共有スペース、バスルーム、寝室、収納、ポップアップストアのスペースをベースとして暮らしを考える。電子制御で透明度をグラデーショナルに制御できるスマートガラスを使用し、内と外、プライベートとパブリックの関係性が常に変化する。

4Transforming Space House

DINKSのための住居兼アトリエ兼ギャラリー

四季や自然のライフサイクルを感じることができる空間。金属板のバイメタルが周囲の温度に反応して曲がり、内と外の境界面が開閉する。風や通気、騒音、光などの制御や、視線制御の役割を担い、住居者が家の室内で周囲の影響をコントロールできる。室内空間は境界がないため、1つの大きなユニットとして空間を感じることができる。

5House in Greenhouse

Iターン家族のためのグリーンハウス付住居

農業に従事するIターン家族の住宅を提案。温室に寄り添うような部屋は、蚊帳による境界面を操作することで範囲や環境が変化する。また、蚊帳の繊維素材やその表面を調整することで視線を制御する。住宅と温室を緩やかにつなぐことで、環境や地域への開き方を自由に選択できる住宅となる。

6The Cabinets of Curiosity

DINKSのための住居兼ギャラリー

住宅は、DINKSの生活が共有されうる“ギャラリー”である。分厚い壁がキャビネットとなっており、夫婦の全財産/骨董品が保管されている。キャビネットの開閉で、ギャラリーからイベント空間、大きなプライベートハウスにまで家の空間が変化する。「骨董品の保管→展示→イベント空間」、「プライベートハウス→近所の交流の場」へと絶えず変化する。

次回も引続き、新しい未来の住宅をご提案します。

建具及び境界面の素材・性能・配置などを切り口に、
これからの住宅像を提案したいと思います。
核家族という一般的な家族形態とは異なる、
既存の世帯像やライフスタイルにおさまらない暮らしに
積極的によりそうような住宅のカタチを考えました。

7ニ拠点住居の暮らし

ニ拠点住居D I N K S のための工房付き住宅兼提携宿泊施設

二拠点住居の夫婦が暮らす、大島の家。クリエイティブな仕事をする妻の工房であり、夫婦の生活空間であり、地域交流の場であり、ゲストハウスでもある家。夫婦が大島にいる時いない時とで、パブリックとプライベートの空間の境界が変わる。“蜘蛛の巣”という新素材の粗密やレイヤーの重なりで様々な透過性を持つ建具が、各部屋の境界面の透過性を操作する。

8Shared Studio & Residence

Iターン家族や若者のためのシェア住居兼スタジオ

この家は、家族のプライベートな住居であると同時に、入居者や小さなオフィス/スタジオ/イベントスペースの為の自由自在な空間として存在する。透過率を操作できるパーティション要素の建具が、トラックを自由自在に移動できる。プライベート空間、半プライベート空間、パブリックスペースを自由にアレンジでき、どのように家族と入居者、訪問者が交流し共存できるかを調査する。

9かまくらの家

地方に転居した若者夫婦のための住居

雪国の集落に立つ住宅の提案。ある温度を境にして、それより温度が高いと白濁し、低いと無色透明になる、特殊ガラス(超親水性ガラスコーティングと温度応答性高分子)を屋根や壁に用いる。冬はガラスに雪が付着して家全体が「かまくら」となり、1つになった温かい空間で春を待ち、夏には外の景色を楽しむことができる。

10集合した住宅「プレ老人ホーム」

単身高齢者のためのシェアハウス

密集した崩壊寸前の空き家を、まとまった1つの大きな建物/シェアハウスに。「五感を取捨選択する建具」を敷地境界線に導入することで、パブリックとプライベートの境目が変動する。Aさんが営むカフェの賑わいと、Bさんの書道教室の厳粛な雰囲気が、同時に共存し得る。視線や音、全てが開放される時は、アトリエ空間は小さなステージとなり、各道のプロ達の作業を間近で見ることが叶う。

11風と眺めをシェアする住まい

Iターン者のためのシェアハウス

島根県海士町の中心部に、Iターンをする単身世帯のためのシェアハウスをつくる。照度差によって“見え”の方向を操作するハーフミラーメッシュを介して空間をレイヤー状に並べることで、様々な用途に対応しつつ、プライバシーを確保しながらも間口いっぱいの眺めと風をどの場所にいても享受できるような、新たな集合の形を提案する。

12House for international students in Tokyo

外国人留学生のシェアハウス

新大久保にあるシェアハウスを中心としたコミュニティ施設を提供。1階にはこの地域のシェアハウスの住人達のための多様なコミュニケーションスペースとして、新大久保に居住する人たちと居住者全員が共に利用できる空間を提供し、上の階には他のシェアハウスより公共空間と外部空間の比率を高め、居住者たちがより快適な環境で生活できるような空間をデザイン。

13余韻を共有する家

外国人留学生の寮

かつてあった暮らしの余韻を現代の技術によって共有し、生活を抽象的にシェアするような家を考える。見る角度が急なほど透明になり、正面に面すると不透明となる新素材を提案。遠くに見えていたはずの生活、気配、文化は、近づくほど見えなくなる。誰のものと知らない気配が心の中で像を結ぶ。見せるか見せないかの二項対立を選択していた私たちの暮らしは、この見せているが見ることができない中間の感覚により、新たな生活体系の共有を生む。

次回も引続き、新しい未来の住宅をご提案します。